強制抑留者の冥福祈る 県ソ連慰霊碑奉賛会

慰霊碑を前に式辞を述べる山田奉賛会長=高岡市手洗野

 富山県ソ連強制抑留犠牲者慰霊碑奉賛会の慰霊祭は11日、高岡市手洗野(たらいの)の慰霊碑前で営まれ、遺族ら約20人が犠牲者へ冥福を祈った。抑留体験者の山田秀三奉賛会長(105)=南砺市井波=は、慰霊碑に名が刻まれた県人約500人に思いをはせ「一人でも多くの人にお参りしてほしい」と語った。

 全国強制抑留者協会(全抑協)の会長も務める山田会長は、抑留経験者の高齢化が進んでいるとして「遺族の方々と共に、末永く慰霊祭を挙行することを誓う」と式辞を述べた。

 全抑協の経田直樹石川支部長が、山田会長による追悼の辞を読み上げ、参列者一人一人が献花した。

 県関係では約3100人が終戦後に旧ソ連軍に連行され、強制労働と栄養失調などで約600人が亡くなったとされる。全抑協は3~9日に現地で犠牲者を追悼する「旧ソ連及びモンゴル慰霊訪問(シベリア墓参)」を実施し、会員や遺族ら11人がモンゴルとカザフスタンを訪れた。

© 株式会社北國新聞社