富山県舟橋村東芦原の長瀬みゆきさん(66)が「日本300名山」(301座)を踏破した。上市高校の山岳部で登山を始め、看護師の仕事の傍らさまざまな山にチャレンジ。57歳で退職後、夫の栄市さん(73)や山仲間と共に踏破へ向け本格的に挑んだ。次の目標に「日本100高山」の達成を掲げており、飽くなき意欲を燃やしている。
長瀬さんは8月19、20日に北海道を訪れ、大千軒岳(1072メートル)と神威岳(1601メートル)の2座に登頂した。301座目の神威岳は、ガイドらと共に早朝に出発。沢登りに加え、背丈を超えるやぶをかき分けて道なき道を進み、約10時間以上かかった。「天候に恵まれなかったが、それでも達成感があった。北海道は道がない山が多く、とにかくワイルド」と笑う。
上市高校山岳部に入ったきっかけは、前の席のクラスメートが部員だったこと。春の大日岳に連れて行ってもらい、のめり込んだ。看護師の仕事をしながら年数回は栄市さんや子どもらと家族登山で剱岳や大日岳、谷川岳に登った。
退職後は、北日本新聞旅行会の登山ツアーをきっかけに本格的に挑戦。全国各地を巡り、100名山は2017年、200名山は昨年達成した。車中泊をしながらの行程が多く、長瀬さんは「100座以上を一緒に登った夫の理解や協力があったからこそ達成できた」と感謝する。
次は「日本100高山」の踏破を目指す。既に残りは12座といい「これまで点だった踏破した山々を線で結ぶ縦走にもチャレンジしたい」と意気込む。
昨冬からはスキーのクロスカントリー(距離)にも挑戦している。親族で、この競技で世界最高齢女性選手のギネス記録を持つ佐伯克美さん(88)=魚津市=に勧められたからだ。今年2月に南砺市で開かれた県マスターズ選手権にも出場しており「新しい世界。とにかく山が好きみたい」と笑顔を見せる。