長期金利上昇、0.720% 9年8カ月ぶり高水準

 12日午前の国債市場で、長期金利の指標である新発10年債(371回債、表面利率0.4%)の利回りが上昇し、一時0.720%を付けた。2014年1月以来、約9年8カ月ぶりの高水準を更新した。日銀の植田和男総裁のインタビューをきっかけに、大規模な金融緩和策が修正されるとの観測が引き続き意識された。

 植田氏は9日付の読売新聞のインタビューで、賃金上昇を伴う持続的な物価上昇に確信が持てた段階になれば、マイナス金利の解除を含め「いろいろなオプション(選択肢)がある」と言及した。市場関係者は「可能性を指摘しただけだが、市場は前のめりに緩和修正を織り込んでいる」(国内金融)と指摘した。

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