教員のなり手不足解消へ 「ペーパーティーチャー」が学ぶ現場の声 長崎県教委が初セミナー

セミナー参加者に、自身の経験を交えて学校での仕事内容を紹介する県教委職員(右奥)=県庁

 教員免許は持っているが教職経験のない「ペーパーティーチャー」らを対象にしたセミナーが9日、長崎県庁であり、教職に就いていない社会人や教員を目指す学生ら計約50人が学校での仕事内容や福利厚生などについて説明を受け、理解を深めた。
 教員のなり手不足解消につなげようと県教委が初めて開いた。県教委義務教育課によると、本県の教員採用枠は2024年度が506人で14年度(208人)と比べ2倍以上に増えた一方、志願者数は24年度が1001人で14年度(1826人)の6割程度にとどまる。
 セミナーは▽小学校▽中学校▽高校▽特別支援学校▽服務、福利厚生など-の五つのブースに分かれ、県教委の職員が説明。個別相談にも応じた。
 中学校のブースでは、学校勤務経験がある職員が1日の流れや働く際のポイント、やりがいに感じることを紹介。子どもの変化に関する質問に、職員は「SNS(交流サイト)など表現の仕方の選択肢が増え、教師としてもアンテナを張っておくべき」と答えた。
 参加した大村市の英会話スクール講師の女性(38)は「教壇に立った経験がないとの不安はあるが、子どもの成長を実感できる魅力的な仕事だと思った」と前向きに受け止めていた。
 同課の岡野利男課長は「関心のある人が一定数いるのが分かったのは収穫。教育学部の学生や本県出身の他県の教員に加え、子育てが一定落ち着いた世代などに働きかけたい」と話した。

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