米男性の復興支援に感謝のジャズ 釜石で市民らがコンサート

市民らと一緒にミニコンサートを楽しむボブ・ゲラステッドさん(左から3人目)

 東日本大震災後、釜石市に住みながら復興支援活動を続けた米フロリダ州のボブ・ゲラステッドさん(67)が10日、同市を訪れた。発災後、宣教師として仮設住宅や復興住宅に物資を届け、交流イベントなどを開催。時間がたち、支援者が減少する中で、復興過程を共に歩んできた。当時を知る市民らが感謝を伝えようとミニコンサートを企画し、時間を共有した。

 同市大町の新生釜石教会に市民や教会員約20人が集まった。津波をかぶり修復したピアノやベースの演奏に合わせて、ボーカルが「酒とバラの日々」「ムーンライト・セレナーデ」などジャズ7曲を熱唱。ジャズ好きのゲラステッドさんは熱心に動画に収めた。

 ピアノを担当した同市野田町の沢田和三さん(69)=システム会社代表=は大槌町新港町の自宅が全壊した。「一番助かったのは冬着。釣った魚を持ってきたり体調を気遣ってくれたりと気の利く人だった」と振り返る。コンサートを企画した一人で「感謝の気持ちは面と向かって言いづらい。ボブさんのことを知ってほしい」と願う。

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