リル・ナズ・X、新ドキュメンタリーで兄のカミングアウトを手助けしたことが明らかに

リル・ナズ・Xは常に臆することなく自分自身を貫き、LGBTQコミュニティを必ずしも受け入れてきたとは言えないジャンルの中で、決して恥ずかしがらずに堂々としてきた。最近プレミア上映されたリル・ナズの新作ドキュメンタリー『Lil Nas X: Long Live Montero』では、彼の兄のトラモン・ヒルが、自身がバイセクシャルであることをカミングアウトできたのは弟のおかげだったことを明かしている。

米EWによると、現地時間2023年9月9日に【トロント国際映画祭】でワールド・プレミア上映されたこの映画には、ヒルが弟のおかげで自身が何者であるかを話すことに抵抗がなくなったとを語るシーンが含まれているという。彼は、「弟は本当に多くの人のためにドアを開けてくれた。そう、俺のためにもドアを開けてくれた。どういう意味かというと、俺はゲイじゃない、わかるかな?バイセクシャルなんだ。彼は俺が自分自身と向き合うのを助けてくれた。弟のおかげで受け入れることができた」と語っている。

映画の後半でヒルは、カミングアウト後に大切な人間関係を失うことを心配していたが、リル・ナズが再び道を示してくれたと語っている。彼は、「俺に干渉するなら干渉する。そうしないならそうしない。さよなら。俺の前から消えろ。お前は必要ない」と言い、「結局のところ、干渉するやつは干渉するんだろうから、友達を追いかけようとするのはやめよう。友達はいつもそこにいるものだ」と述べている。

この映画ではまた、リル・ナズが2022年のデビュー・ツアー【ロング・リヴ・モンテロ】を開催したり、マドンナと親交を深めたり、コンサート会場の外で抗議する同性愛嫌悪集団と対決したりする様子も描かれている(この時、彼はピザを抗議活動参加者に振る舞った)。EWはまた、リル・ナズが映画の冒頭で、米ロサンゼルスを象徴する食料品店エアウォンで『スーサイド・スクワッド』などで知られる女優のヴィオラ・デイヴィスに遭遇した際に、期待どおりにはいかなかったという笑い話を語っていることにも触れている。

リル・ナズは、カルロス・ロペス・エストラーダ監督とザック・マニュエル監督に、テイラー・スウィフト、バッド・バニー、『ユーフォリア』のスターであるアレクサ・デミーの写真と共にベッドルームの壁に貼られたデイヴィスの写真を見せながら、「ヴィオラ・デイヴィスにエアウォンで会ったんだけど、僕が誰だか全然わからなかったみたい。“大ファンです”って言ったら、彼女は“ああ、ありがとう”って感じで、急いで店を出て行ったんだ。ちょっと面白かった」と語っている。

この映画の公開予定日はまだ発表されていない。【トロント映画祭】に爆破予告があったことからプレミア上映の時間が20分遅れたが、その後予告に信憑性がないと当局が確認した。

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