死刑確定の邦人女性、再審請求へ マレーシア政府の制度撤廃受け

 【クアラルンプール共同】マレーシアで、覚醒剤を大量に持ち込み、危険薬物法違反の罪で死刑判決が確定した青森県出身の竹内真理子死刑囚(49)が近く最高裁に再審請求することが12日、分かった。マレーシア政府が特定の重大犯罪に死刑のみを適用する強制死刑制度を撤廃したため。

 竹内死刑囚は無罪を主張。東南アジアで死刑を廃止したのは2カ国にとどまるが、インドネシアやマレーシアは死刑適用のハードルを高くする法改正に踏み切っている。

 2015年の確定判決によると、09年10月にアラブ首長国連邦のドバイからマレーシアのクアラルンプール国際空港に到着した際、約3.5キロの覚醒剤を隠し持っていた。荷物の中身を知らなかったと主張したが退けられた。

 当時のマレーシアでは一定量以上の薬物所持で有罪が確定した場合の法定刑は死刑のみだった。マレーシア政府は今年7月、殺人やテロを含む11の犯罪に必ず死刑を適用してきた強制死刑制度を撤廃。過去の死刑判決を見直す法律が今月12日に施行され、再審請求できることになった。

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