死者2800人超 モロッコ地震で現地の両親が心配「避難所がない」募金箱や救援金の受付も

9月8日に北アフリカのモロッコで起きた地震を受け、この地方に住むモロッコの出身者たちも不安な日々を過ごしています。

名古屋市東区にあるモロッコ料理店「カサブランカ」。

弟のアミンさんと、この店を営むモロッコ人の店長、ガナム・モハメッド・バドルさんも、その一人です。

(カサブランカ 店長 ガナム・モハメッド・バドルさん)
「(今回の地震は)びっくりしました、ショックを受けて…。(現地は)涙が止まらないくらい大変です」

現地に暮らす両親の無事は確認できましたが、両親の暮らす村は震源地に近く、建物の外壁などが崩れ落ちているといいます。

(カサブランカ 店長 ガナム・モハメッド・バドルさん)
「(両親は)庭にテントを出して(過ごしている)。日本みたいに避難所などの用意はモロッコではできていない」

夜は気温が10℃近くにまで下がるモロッコ。

寒さも心配ですが、地域によっては道が整備されておらず、水や食料などの物資が足りていないといいます。

(カサブランカ 店長 ガナム・モハメッド・バドルさん)
「(日本の人から)手伝いたいけど、お金を送った方がいいですか。何か送った方がいいですかとかメッセージや電話はきています。本当にありがたい」

バドルさんの店では12日から募金箱を設置したほか、1人当たり1000円となるベリーダンスのチャージ料を、全てモロッコへ寄付するということです。

一方、こちらの施設は岐阜県美濃加茂市にある、在岐阜モロッコ王国名誉領事館。

この施設でもモロッコの地震を受け、救援金の受付を始めています。

(美濃加茂市 多文化共生推進室 坂崎弘章室長)
「交流のあるモロッコ。困っている方たちの力になれれば」

そもそも、なぜこの場所にモロッコの名誉領事館があるのかというと、2005年に開催された「愛・地球博」でモロッコ館に展示されたものが、後に岐阜県内のイベントでも展示されたことがきっかけでした。

それ以来、双方が交流を深め2018年には岐阜・愛知・富山・石川・福井の5県を担当区域とし、モロッコとの交流促進を図る拠点として、美濃加茂市内に名誉領事館が開設されました。

12日は、モロッコに行ったことがある市民らが施設を訪れ、救援金を手渡していました。

(募金者)
「(Q:モロッコに行ったことがある?)あります。あちらに住む人々は寡黙な感じでしたけど優しい方々だった」
「大変な状況っていうのがあるので。その役に本当に微力ながら協力できたらいいなと思って募金しました」

モロッコ地震の救援金は名誉領事館のほか、美濃加茂市役所などで当面の間、受け付けています。

© CBCテレビ