知事と静岡・浜松、両政令市長が意見交換…7年ぶりトップ会談の内容とは? 11日(静岡県)

11日、知事と静岡・浜松、両政令市長によるトップ会談が行われました。県と静岡市の関係が悪化してから開催されませんでしたが、両政令市のトップが変わったことで7年ぶりに開かれました。トップ会談で話し合われた内容とは?

静岡市内のホテルにそろった川勝知事、静岡市の難波市長、浜松市の中野市長。記念撮影は、3人で手を合わせ、笑顔で応じました。

3首長が意見交換をする会談は、“G3サミット”という名称で2006年から毎年行われていましたが、2016年以降、中断されていました。その7年前の会議では…

(川勝知事)

「静岡市は政令指定都市としては失敗事例」

(静岡市 田辺前市長)

「静岡市政のことに口出しをしすぎているのではないでしょうか、私たちは自治ということを大事にしている、しかも自立性をもった政令指定都市は、法的にも県と対等な立場にあります、知事には言葉を選んで発言していただきたい」

(川勝知事)

「(人口が)70万人を切れば、政令指定都市としての資格を失う、それは来年中にやってくる、危機感を持っていただきたい」

知事と静岡市の田辺前市長が激しくやりとりする場面も。G3サミットはこの年を最後に開かれませんでした。

7年ぶりとなった、11日の会談では、座長を務めた川勝知事が冒頭の挨拶でこう述べました。

(川勝知事)

「3者が協力して県民360万人のウェルビーイング(満足度)を上げていく、その共通の目的はありますので、自主性を重んじつつ、両市と連携が必要なところについては、できる限り緊密な連携をしていきたい」

議題となったのは、共通の行政課題である「人口減少」と「防災」について。このうち、「人口減少」については、知事から、県の現状が報告されました。10年前と比べ4.5%、約19万人、人口が減少していて、歯止めがかからない状況です。人口減少に関しては、2人の市長ともに「教育」の重要性を取り上げました。

( 静岡市 難波市長)

「静岡市に本社がある会社を高校生に聞いて、1社も答えられない高校生がかなりの比率、2社以上はほとんどない、そういうことでは地域に残ろうという思いは生まれない。地域への思いを小さい頃から教育として取り組んでいかないといけない、それが人口の流出にもつながっているのではないか」

(浜松市 中野市長)

「若年層の流出という点では、地域の魅力の再発見など、高校でのさまざまな啓発が必要。流出を防ぐという点で、高等教育の面で魅力ある学校をつくる。地元では浜松医科大学と静大工学部の再編、統合も話題となっている、魅力ある高等教育機関をつくっていくことを、県としっかり連携しながらやっていきたい」

このように事前に用意した資料やデータをもとに、現状や課題を報告しました。会談後、知事は…

(川勝知事)

「両市長が自身の意見を入れ込んだ資料を準備していて、実に充実した実質的な会議となった、今後、定期的にやるのが望ましいと意見をいただき、ぜひそうしたい、協力していきたい」

今後は「県知事・政令市市長会議」という名称に変え、年に1度、開催していくことで3者は合意。次回は静岡市の難波市長が幹事となり、経済産業政策などをテーマに開かれる見込みです。

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