連勝止まり「あー、くそっ」 朝乃山、4日目は貴景戦

  ●元白鵬は「優勝候補」

 快進撃を続けていた元大関が大相撲秋場所3日目で初黒星を喫した。先場所から続く連勝が止まり、朝乃山は支度部屋で何度も「あー、くそっ」と繰り返し、悔しさをあらわにした。それでも元横綱白鵬の宮城野親方は今場所の優勝候補に朝乃山を挙げるなど、角界内外からの期待は大きい。4日目は現役最長の大関在位26場所である貴景勝との対戦が組まれ、真価が問われる一番に挑む。

 取組が終わり、支度部屋で取材に応じた朝乃山は苦笑いを浮かべ、初黒星となった一番を消化しきれていないことをうかがわせた。「白星、黒星はついてくるものなので仕方ない」と自らを納得させるように話すも、すぐに「あー」「うーん」と言葉にならない声が口を突いた。

  ●先に手をつかれ

 新小結の錦木と30秒に及んだ相撲は、思い通りにいかなかった。立ち合いで先に手をついて待ち構えるのが朝乃山のスタイルながら、この日は錦木が先に手をついた。朝乃山は「想定していた。先に手をつかれたら違う立ち合いをするしかない」と振り返ったが、悔いも残す。左上手を取れるかが勝負の分かれ目となり「さがりをつかんでしまった。素早く上手を取らないといけない」と反省を口にした。

 先場所の再出場からの連勝は6で止まった。初日は先場所も勝利している若元春を下し、2日目は三段目時代の2016年5月場所以来、約7年ぶりの対戦となった琴ノ若を上手投げで仕留めて連勝。波に乗ろうとしていた矢先だった。

 宮城野親方は、朝乃山が先場所で再出場して4連勝し、勝ち越したことに触れ「一つも落とせない状況からここまで来た。勢いが続いている」と高く評価。今場所の注目力士であると見立てる。

 朝乃山は貴景勝戦に向け「思い切っていくしかない。当たって、当たって、当たるのみ」と自らを鼓舞した。

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