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●金沢地裁初、特定少年の裁判員裁判
金沢市内で昨年10月、「美人局(つつもたせ)」の手口で男性を誘い出し暴行を加えて現金を奪ったなどとして、強盗致傷の罪に問われた当時19歳の男(20)の裁判員裁判初公判は12日、金沢地裁であり、被告は「間違いありません」と起訴内容を認めた。量刑が争点となる。改正少年法で規定された「特定少年」の裁判員裁判は金沢地裁で初めて。
公判では、野村充裁判長が「被告人や共犯者は年齢等を踏まえて『被告人』やアルファベットで呼ぶ」と述べ、匿名で審理された。人定質問では被告は氏名や住所を口述せず、紙に書いて本人確認がされた。被害者の情報も秘匿された。
冒頭陳述で検察側は、被告は少年少女ら4人とともに「インスタ狩り」と称し、少女が交流サイト(SNS)で援助交際目的の男性を誘い出し、因縁を付けて現金を奪う計画を立てたと指摘。最年長の被告は「彼氏役」など4人の役割分担を決めた上、「相手が逃げたら手を出せ」と指示し、犯行を主導したと非難した。
一方、弁護側は「被告らが暴行を加えたのは突発的で計画性はなく、動機は稚拙だ」と反論。共犯者の間に上下関係はなかったと述べた。その上で、情状面を考慮し、執行猶予付き判決を求めるとした。
起訴状によると、被告は当時18歳の男(19)=強盗致傷罪で起訴=のほか、当時16歳の少女と男子高校生2人と共謀し昨年10月6日未明、金沢市内の公園で20代男性を暴行して現金を奪おうとし、さらに翌晩、同じ公園で別の20代男性の顔面を蹴って気絶させるなどし、1万5千円を奪ったとされる。男性2人はあばら骨や頭の骨を折る全治2~3カ月の重傷を負った。
5日間の審理を経て29日に判決を言い渡す。