朝乃山に土 新小結・錦木に屈す

 大相撲秋場所(両国国技館)3日目の12日、西前頭2枚目の朝乃山(富山市呉羽町出身、富山商高OB、高砂部屋)は新小結の錦木(伊勢ノ海部屋)に上手投げで敗れ、初めて土がついた。得意の右四つの形にはなったが、左上手に届かず、巻き替えたところでバランスを崩し投げをくらった。朝乃山は「明日がまた来る。きょう負けたことは忘れるしかない」と前を向いた。

 朝乃山は当たってすぐに右を差したが、左上手が取れずに攻め手がない。錦木の左巻き替えに乗じ、同じく左を巻き替えたところで右足が流れた。右上手投げに横転。「重心が右にぶれた。相手が出てくるのを警戒して止まってしまった」と振り返った。

 錦木とは初優勝を果たした2019年夏場所以来の対戦。八角理事長(元横綱北勝海)は「前に当たった時の感覚があったんだろう。上手にこだわって足が止まってしまった」と敗因を指摘した。

 4日目は今場所初めての大関戦が組まれた。西大関貴景勝(常盤山部屋)とは2年半ぶりの対戦となる。過去の対戦成績は4勝5敗できっ抗しているが、直近は朝乃山が2連敗中だ。日本人力士の最高位を長く務めてきた看板力士に挑む。

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