長崎・対馬に特別支援学校の小・中学部 2027年に開設 地域で専門的な教育可能に

 長崎県は2027年4月、対馬市に県立虹の原特別支援学校(大村市)小・中学部の分教室を開設する。既存の同校高等部の分教室と統合し、分校とする。
 大石賢吾知事が12日、定例県議会の所信表明で明らかにした。
 小・中学部の分教室は対馬市厳原町の同市立厳原中に開設し、20人前後の在籍を見込む。県教委によると、市内には特別支援学校の小・中学部はなく、児童生徒は市外の特別支援学校や市内小中学校の特別支援学級に通う。
 同町の県立対馬高にある高等部は12年春設置し、本年度は全学年で9人が通っている。
 大石知事は「障害のある子どもたちが居住地に近い地域で専門的な教育を受けることができるようになるほか、小学部から高等部までの一貫した教育活動のさらなる充実につなげたい」と述べた。
 同市は22年1月、県教育長に特別支援学校の設置を求める要望書を提出。特別支援教育の方向性を示す「第2期県特別支援教育推進基本計画」の第1次実施計画(22~24年度)で、対馬地区の小・中学部分教室の設置を検討していた。

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