レクサスRC FのWEC参戦、トヨタGR-Eは「要請があればサポートする」と前向き姿勢

 TOYOTA GAZOO Racingヨーロッパ(TGR-E)のマネージグディクレターを務めるロブ・ロイペンは、来季2024年のWEC世界耐久選手権でレクサスRC F GT3のカスタマープログラムをサポートする用意があると語った。

 トヨタは姉妹ブランドであるレクサスを通じ、来年のWEC/ル・マン24時間レースに新設されるLMGT3クラスのグリッドで存在感を示す可能性があり、これに関連してフランスのアコーディスASPチームを含むいくつかのチームが交渉を行ってきた

 シリーズは現在まで、どのGT3メーカーがグリッドを獲得するのかをまだ確認していないが、トヨタは世界選手権のトップクラスに長年参戦しているため、計画が実現すればエントリーは確実なものになるはずだ。

「もし要請があれば、レクサスとトヨタとしても彼らの望むチャンピオンシップに参加させたいため、我々は間違いなくサポートする」とロイペンはSportscar365に語った。

「だから、もしサポートの要請があれば私たちはそうするつもりだ。我々には彼らをサポートできるエンジニアがいる。我々は(トヨタ・スープラの)GT4マシンをよく知っているんだ」

「レクサスRC F(GT3)についても過去にSROチャンピオンシップで2年間、いくつかのチームと一緒に走らせたことがある。その観点からも、すべてがうまくいけば準備は整うだろう」

 現在の状況について尋ねられたロイペンは、レクサスLMGT3の取り組みがどのような方向に向かう可能性があるかについては、「それを言うのは少し早い」と答えた。

 ジェローム・ポリカンが率いるASPは、FFSA GT4フランス選手権でトヨタGRスープラGT4エボを数台走らせるなど、トヨタとのつながりがある。

「我々のGT4プログラムに基づいて、私たちはすぐにそれを引き継げるチームを配置することができる」と続けた同氏。

「私たちは現地のチームと関係を持っている。もし事態が起こった場合には、すぐにコンタクトをとることが可能だ」

 レクサスRC F GT3は北米のIMSAウェザーテック・スポーツカー選手権のGTDプロ/GTDクラスをはじめ、日本のスーパーGT GT300クラスやスーパー耐久シリーズのST-Xクラスで現在も活躍しているが、ヨーロッパでは2020年にテック1・レーシングがファナテックGTワールドチャレンジ・ヨーロッパで用いて以来、グリッドから姿を消している。

 来年、レクサスをWECに参戦させようという動きは、早ければ2025年までにデビューする可能性がある新世代GT3マシンが現在開発中であることを受けてのものだ。

「それが来るとき、そして長期的に見てトヨタが展望を持っているときに、非常に強い目を持ちドアに足を踏み入れることは良いことだ」とロイペン。

「全体的な戦略がどうなっているのかが分かれば、それを実行するのはいいことだと思う。トヨタにとっては、非常に興味深い選択肢になり得るだろう」

2020年のファナテック・GTワールドチャレンジ・ヨーロッパを戦ったテック1・レーシングのレクサスRC F GT3
IMSAウェザーテック・スポーツカー選手権ではバッサー・サリバンがGTDプロとGTDの2クラスで2台のRC F GT3を走らせている。

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