相模原南市民ホール、26年3月廃止へ 1年半延期も方針変えず 市民から落胆の声

市民との「意見交換会」では市の方針や姿勢を疑問視する声が多数上がった=7月、相模原市南区の相模原南市民ホール

 相模原市民の文化芸術活動の拠点「相模原南市民ホール」(南区相模大野)を巡り、市は13日、2026年3月に廃止する方針を明らかにした。廃止時期を当初から1年半先延ばししたが、廃止の方針は変えず、存続を求めていた市民からは落胆の声が上がった。

 市は昨年9月、ホールの老朽化や利用者減、設備改修費約3億円の財政負担を理由に24年9月に廃止する方針を公表。しかし、利用団体や市民から存続を求める声が上がり、2万筆超の署名も提出された。そのため、市は再度検討する姿勢を示し、今年7月に本村賢太郎市長も出席した市民との「意見交換会」を開催した。

 13日の市議会市民環境経済分科会で、石井賢之副市長は「市民の皆さんの文化活動への影響を最小限にしたい」として廃止時期を1年半遅らせる方針を示す一方で、廃止の考えは変えないことを明らかにした。

 同ホールは市内の中学生が舞台設備を操作できるほか、専門業者の調査で音響効果が優れていることが判明している。こうした点を踏まえ、市は代替施設として挙げる相模女子大学グリーンホール多目的ホールの音響改善工事を実施し、利用者が舞台操作できるよう市内の大学や企業が有する施設の活用を検討していくと説明した。

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