世界の債務増加傾向と警告 IMF、緊急措置訴え

 【ワシントン共同】国際通貨基金(IMF)は13日、新型コロナウイルス対策のための支出増が一服し減少に転じていた世界の債務が足元では「増加傾向に回帰している」と警告した。各国政府や多国間による債務増加への緊急措置を取るべきだと訴えた。

 IMFは最新の債務状況を発表。2022年の債務額は世界全体で235兆ドル(約3京4600兆円)で国内総生産(GDP)比238%に当たり、コロナ禍前の19年比で9ポイント上回った。

 各国はコロナ対策を打ち切ったものの、インフレ対応や経済成長の下支えに支出を増やしたと指摘。過去2年間の債務削減は、コロナ対策の債務増の半分程度にとどまったとした。

 中国については「ここ数十年、借り入れが経済成長を上回り、世界の債務増加の中心的役割を果たした」と分析。中国経済は不動産分野の不振などで、先行き不安が高まっている。習近平指導部は積極的な財政政策を進める考えを示しており、今後も債務が膨張しそうだ。

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