【インドネシア】宿泊予約エンジンのトリプラ、地場を傘下に[IT]

宿泊施設向けの予約エンジンなどを提供するtripla(トリプラ、東京都中央区)は13日、シンガポールのIT企業ブックアンドリンクを、日本政策投資銀行(政投銀)と共同で買収することを決議したと発表した。ブックアンドリンクのインドネシア子会社スルヤ・ジャガット・マンディリ(SJM)は、バリ島などの宿泊施設向けに予約情報などを管理するシステムを提供している。

SJMは、オンライン旅行会社や予約システムなど、複数の宿泊予約情報と基幹システムを連携し、在庫や宿泊プラン、価格などをまとめて管理する「Channelku」や予約エンジン「Bookingku」などを開発・提供している。7月末時点で2,616施設が導入している。ブックアンドリンクの買収により、トリプラのグループ全体でのサービス導入施設数は5,043施設(7月末時点)となる見込み。

今後は、トリプラが日本や台湾、韓国で展開している予約エンジン「tripla Book」をインドネシアの顧客向けに展開する。また、ブックアンドリンクの技術などを活用し、新たなサービスとして管理システム「tripla Channel」を海外で販売することを計画する。

トリプラとブックアンドリンクの両社のサービスや技術を補完し合い、宿泊施設の収益最大化を実現するサービスの提供を促進する。アジア最大の宿泊施設向けホスピタリティーソリューション会社となることを目指す。

ブックアンドリンク買収後の持ち分比率は、トリプラが53%、政投銀が47%となる。政投銀が取得する47%分は、取得から1年経過した後、コールオプションを発動することで、一定のプレミアムを加算してトリプラが取得する権利がある。コールオプションを行使するかどうかは未定という。

SJMの株式持ち分比率は、ブックアンドリンクが98%、トリプラが2%となる。

買収に当たっては、SJMの資本を充実させるため、トリプラが70万2,372米ドル(約1億300万円)をブックアンドリンクに出資する。

またトリプラは、ブックアンドリンクの現株主に対し、現物出資の方法で、トリプラの新株式278万7,249米ドル分と現金15万3,615米ドルを割り当てる。政投銀はブックアンドリンクの現株主から株式を計317万9,136米ドルで譲り受ける。

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