【MLB】 シャーザー、アルカンタラの両エースが故障… プレーオフ争いへの影響は?

写真:およそ1ヶ月ぶりにマウンドに立つシャーザー

レギュラーシーズンも残り3週間と大詰めに差し掛かっているが、プレーオフ争いに加わるチームのエースが故障したという心配な情報が入ってきた。両投手の故障について『MLB.com』が報じている。

レンジャーズのマックス・シャーザーは現地12日のブルージェイズ戦に先発したものの、上腕三頭筋の痙攣で負傷交代。今日になってレンジャーズのクリス・ヤングGMは上腕の大テレス筋の低度の緊張によって、シャーザーをシャットダウンすることを発表。シャーザーは少なくとも残りのレギュラーシーズンに登板することはなくなった。プレーオフで登板する可能性は無くなってはいないものの、ヤングGMは「unlikely」とその可能性は低いことを示唆している。

プレーオフでの度重なるクラッチなパフォーマンスで知られ、今夏のデッドラインでも優勝請負人としての期待を背負って獲得されたシャーザー。実はその前回登板のツインズ戦でも上腕の疲労で降板しており、無理が祟ったのかもしれない。シャーザー自身も上腕が100%で無かったことで他の部位にしわ寄せが行った可能性を認めている。

さらに、マーリンズは右前腕屈筋の張りでIL入りしていたサンディ・アルカンタラに、右肘内側側副靭帯(UCL)の捻挫があったことを発表した。

しかし、マーリンズはアルカンタラの復帰の可能性を閉ざしていない。スキップ・シューメイカー監督は「もちろん肘のことならどんなことでも心配だ。だが、彼はまだ投球練習ができると感じている」と、アルカンタラ自身の感触は良好であるとコメント。アルカンタラも「分からない。イエスとは言えない。ノーとも言えない」とあくまで今後の感触がどう変化するかにかかっていることを強調している。

レンジャーズとマーリンズはプレーオフ争いの真っ只中にある。両エースの離脱はどのようにプレーオフ争いに影響するだろうか?

ワイルドカード3位、首位アストロズを1ゲーム差で追う2位レンジャーズは、ブルペンに回っていたアンドリュー・ヒーニー、マーティン・ペレス、そしてコディ・ブラッドフォードの3人の先発左腕を活用してシャーザーの穴を埋めるだろう。ブルペンの低迷はレンジャーズの夏場の失速の最たる原因であり、ここからさらに人が抜けることになるが、2021年ドラフト全体2位指名のジャック・ライターのブルペンへの抜擢がありえるかもしれない。プロ入り後は低調な出来のライターだったが、AAでのここ3登板は防御率3.18、課題の制球も改善中。持ち味の剛速球は相変わらずで、ブルペンの秘密兵器となる可能性を秘めている。

ワイルドカード圏内を1.5ゲーム差で追っているマーリンズはやや厳しくなってきたかもしれない。ひとまずアルカンタラの穴は、25歳の剛腕エドワード・カブレラが埋めているが、抜擢された後の2先発はいずれも5回を投げきれず。長いイニングを投げ切れるタフさが持ち味のアルカンタラとは打って変わったパフォーマンスで、ブルペンの負担増が懸念される。また、アルカンタラと同時に今季35本塁打の主砲ホルヘ・ソレーアを故障で失ったのも痛い。投打の主軸を失ったが、ここから3戦ずつ残るブレーブス、ブルワーズの格上との対決でいかに健闘できるかが鍵を握るだろう。

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