【動画】上位陣に襲い掛かるトラブル。笑顔のラストラン。雪辱果たす優勝etc. WRCギリシャ映像集

 9月7~10日にギリシャで開催され、TOYOTA GAZOO Racingワールドラリーチーム(TGR-WRT)によるワン・ツー・フィニッシュで閉幕したしたWRC世界ラリー選手権第10戦『アクロポリス・ラリー・ギリシャ』。2022年大会で表彰台を逃したTGR-WRTが雪辱を果たすことに成功した今大会を、5つの印象的なシーンから振り返る公式動画、『Top 5 Moments』が、WRCのオフィシャルYouTubeチャンネル(https://www.youtube.com/@wrc)で公開された。

『Top 5 Moments』と題されたこの動画は、WRCが各ラウンドの終了後に投稿し毎戦恒例となっているものだ。計5つのシーンには印象的なクラッシュやトラブル、劇的な優勝シーンなど、当該のラリーを象徴する瞬間が選ばれている。

 今回の動画で最初に登場するのは、競技3日目のSS9でエルフィン・エバンス(トヨタGRヤリス・ラリー1)が見せたトラブルへの対処だ。ラジエーターを破損しペースダウンを余儀なくされたエバンスはステージ終盤、エンジンを保護するためにEVモードを活用して走行を継続。タイムロスを喫しながらもステージを走りきったエバンスの努力は、翌日のTGR-WRTのワン・ツー・フィニッシュへと繋がった。

 続いては今大会にMスポーツ・フォードWRTから出場した地元ギリシャのプライベーター、ジョルダン・セルデリディス(フォード・プーマ・ラリー1)が登場。今後の活動をラリー1マシンからステップダウンすることを表明した59歳のジェントルマンドライバーは、プーマ・ラリー1でのラストドライブを終えると終始笑顔でインタビューに応じ、満足した様子を見せた。

■優勝を争っていたふたりに“悪路”が牙を剥く

 3つめのシーンは、デイ3にヒョンデ・シェル・モビスWRTのティエリー・ヌービル(ヒョンデi20 Nラリー1)が見舞われたデイリタイアだ。この日の午前中にセバスチャン・オジエ(トヨタGRヤリス・ラリー1)と総合首位を争い、このバトルを一歩リードして午後のループに入ったヌービルだったが、午後の1本目となったSS10でサスペンショントラブルが発生。走行不能に陥りデイリタイアを余儀なくされてしまった。

 4番目に登場するのは今年、国際格式開催70周年を迎えたアクロポリス・ラリーで2年ぶり、大会通算2度目の優勝を飾ったカッレ・ロバンペラ(GRヤリス・ラリー1)。デイ3の最終盤にトップに浮上した段階で、後続のマシンとの間に大きなギャップがあったロバンペラは、明けた最終日の朝は余裕を持った走行に徹する。その後、彼は温存したタイヤを活用して最終パワーステージでアタックを敢行。ここで見事にステージウインを飾り、総合優勝の25ポイントに加えパワーステージでのボーナス5ポイントを追加で獲得した。

 最後に紹介されたのは、過去8度世界王者となったオジエがSS12でデイリタイアを喫した場面だ。競技3日目の土曜日、前述のとおりオジエは午前中にヒョンデのヌービルと首位争いを繰り広げ、SS10でのヌービルのデイリタイアによって首位に浮上した。しかし、一日の最後のステージとなったSS12ではオジエもまたヌービルと同様にサスペンショントラブルを抱えることに。39歳のフランス人はこのステージをなんとか走りきったものの、その後デイリタイアを決断することとなった。

■Top 5 Moments | WRC EKO Acropolis Rally Greece 2023

https://youtu.be/0eFVErM1L2o?si=a7PjiFG9REjYhEGv

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