中田敦彦 『古事記』でYouTubeを1000万回再生させた持論を成田悠輔に明かす

経済学者・成田悠輔が番組MCをつとめる『夜明け前のPLAYERS』。今回のゲストは、お笑いコンビ・オリエンタルラジオの中田敦彦。2019年にYouTubeチャンネル『中田敦彦のYouTube大学』をスタートさせ、登録者数500万人を超える大人気コンテンツへと成長させた。未来の日本を作る変革者を“PLAYERS”としてゲストに招くこの番組に今、もっとも相応しいひとりといえるだろう。

■笑いの要素を入れすぎるとクレームがくる

『中田敦彦のYouTube大学』では紆余曲折(うよきょくせつ)を経て、ホワイトボードを前にスーツ姿で授業をするというスタイルに落ち着いたという。このことで、「一芸人があたかも教育者であるかのように振る舞えた」と話す中田。そんな講義形式の動画について、成田が「意識的にお笑い成分を蒸発させているのでは?」と切り出すと、「とてもとても鋭い指摘ですね。初めて言われました」と、中田は深くうなずいた。自身の動画について“面白い”よりも“タメになる”“わかりやすい”といった要素が需要としては大きくなったと分析する。

真面目なことを言っている芸人から、はしゃいでいる先生に見られるようになると、ふざけることがノイズに逆転するという。予備校の講師ならば「笑いの要素が多すぎると苦情が来る(笑)」と成田が合わせると、中田は「芸人から先生へと仕事が変わってしまった」と苦笑いした。

時事問題などのむずかしいテーマでも安易なネタ化に走らないなど、得意なお笑いを禁欲的に我慢している、あえてやらないのは頑張ってダイエットしているようだと成田は指摘してみせるが、実際はそうでもないようだ。

オリエンタルラジオ・中田敦彦(左)、成田悠輔(右)

中田の考えでは、“面白い”には『インタレスティング』(内容が興味深い)と『ファニー』(笑える)の2種類があり、興味深いテーマを掘り下げるほどファニーの要素が邪魔になるという。そして「今日は薄味かな?」と思った時にはファニーを足すなど、笑いの成分をまるで調味料のように使っているそうだ。

■YouTubeでの成功の秘けつは“甘辛”な味付け

中田のもつ芸人としての能力と、元エリート受験生としてのスキル。そこに相乗効果があるのか、それとも二重人格的にスイッチで入れ替わるのか?という成田の疑問に対して、中田は味覚でいうと「甘いと辛いに似ている」と答えた。甘いだけで成立する時もあれば、辛いだけでも成立する時もある。その一方で、甘さと辛さが邪魔する時もあれば、甘辛でおいしい時がある。そして自分としては「甘辛でおいしいところを探るのが得意」だという。さらに「甘いだけ、辛いだけで勝負しても勝てない。甘辛の味付けで非常においしい店なら店舗数も少ないので勝てる」と持論を展開する中田。YouTubeでの成功を飲食店の味付けに例えてみせた。

成田悠輔

「甘辛度合いでうまくいったと思う動画」を問われると中田は、1000万回再生させた日本の神話『古事記』の講義を例に挙げた。神話は物語としてのツッコミどころも多いが、歴史を遡るほどファンタジー化していくため、イジっても問題になりにくい。興味深い内容の上に笑いの要素も入った動画に仕上がったと、自信をのぞかせた。

一方で、現代のシリアスなテーマ、扱いづらいテーマほど「面白い」と断言したものの、「口に出してはいけないとされていることは、だいたい正しい」ゆえに、訴訟などのリスクもある。やりづらい時ほど「正直、甘さを足したい」と、自嘲気味につぶやいた。

中田敦彦

『夜明け前のPLAYERS』は公式YouTubeで配信中。ノーカット版は 公式HPで配信している。

『夜明け前のPLAYERS』
公式HP:PLAY VIDEO STORES
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