外来魚「コクチバス」から長良川のアユを守る 電気ショックで動きを止める駆除作戦

岐阜県の長良川で見つかった肉食外来魚のコクチバス。

このコクチバスを電気ショックで駆除する秘密兵器が登場しました。

14日朝、岐阜市の長良川で、何やら重そうな物体を運び、ボルトで連結してできあがったのは1隻の船。

これは外来魚を電気ショックで駆除するための船、その名も「いなずま丸」です!

14日に行われたのは岐阜県と滋賀県の職員らが参加した外来魚駆除の大作戦。

この船は普段、外来魚が日本の在来種の魚を食べてしまう被害が深刻な、滋賀県の琵琶湖で使われています。

その船が長良川に登場した理由は、北アメリカ原産の肉食外来魚「コクチバス」。

長良川につながる岐阜県郡上市の ため池で大量に見つかり、ことし5月には岐阜県美濃市の長良川でも1匹が発見されました。

アユをはじめとする日本の在来種に深刻な影響を与えかねないコクチバスの出現に、事態を重く見た岐阜県が目を付けたのが「いなずま丸」だったのです。

船の前方に取り付けられた電極から電流を流し、水の中で魚の動きを止めるという優れもの。はたして「コクチバス」は駆除できるのでしょうか?

電気ショックで弱った魚を次から次へと網で捕獲。

岐阜市の長良川に「コクチバス」はいたのでしょうか、結果は…。

「コクチバスは残念ながら捕ることはできませんでした。代わりに特定外来生物のオオクチバスが10匹」

結果はコクチバスと同じ特定外来生物で、以前から長良川で確認されていた「オオクチバス」が10匹。

コクチバスは見つかりませんでした。

しかし、コクチバスはオオクチバスより流れの速い川でも生息することができ、アユの脅威になりかねないということで、岐阜県の担当者は。

(岐阜県 水産振興室 桑田知宣室長)
「増える前にコクチバスを何とか駆除しなければならない。徹底的にやれることはやって、駆除を進めていきたい」

岐阜県は今後、今回使った電気ショックで外来魚を駆除する船の導入を検討していくということです。

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