沼津市は、市の土地を有料駐車場として貸し出し不当な利益を得ていたとして、市議会議員を提訴する方針を固めました。一方、市議は「自分の土地である」と反論しています。
１４日の沼津市議会。
（沼津市 総務部長）
「市有地を貸し駐車場として収益を得ていた相手方に対し、所有権に基づく不当利得の返還及び利息の支払いを命ずる判決を求めるものです」
市が「訴える」という相手は、現在5期目の山下富美子市議です。
「市の土地」を駐車場として貸し出し、不当な利益を得たとして山下市議を提訴するための議案が提出されました。
（記者）
「あちらが問題となっている駐車場です。山下市議は自宅の隣の土地を有料駐車場として貸し出していましたが、そのうち2台分を巡り言い争う形となっています」
この問題は2022年8月、匿名の通報がきっかけで判明しました。
沼津市によりますと土地の登記簿などを調べた結果、山下市議が貸し出していた“駐車場2台分”が市の土地だったということです。市は6月末に10年間で得た利益、約200万円の返還を求めましたが、山下市議が応じないため提訴に踏み切るということです。
（沼津市道路建設課 長嶋 晃令 課長）
「市としては和解というか話し合いで解決するのが一番いいと思う。双方で話し合いをしてきたが、相手方からなかなか返事が得られな い中で、これは司法の場に判断を委ねるしかないと判断した」
この土地を巡っては約30年前「橋の拡幅工事のため」市が現在の駐車場付近の土地を“山下市議側”から購入。
その際、問題となっている“駐車場2台分の土地”について、拡幅工事に協力したとして、市が山下市議側に譲渡したか、していないかが問題となっているといいます。
14日山下市議は会見を開き、登記簿上は「沼津市の土地」と認識している上で、問題となっている‟2台分の土地”については「自分のもの」と主張しています。
（山下富美子市議）
「市に提訴された土地は私のものです。証拠が見つかったわけですけれども、市はこの事実に基づき提訴を取り下げてほしい」「提訴を取り下げないなら、こちらも提訴をしますということです」
山下市議は自らが所有する土地だと裏付ける、過去に市と交わした「土地の売買契約書」や「確約書」などを示しました。今後、これらの資料を元に沼津市と協議し“市の姿勢”が変わらなければ逆に沼津市を訴える考えです。
山下市議を提訴する議案については、10月16日の市議会で採決が行われます。
