【ホーユー食事停止問題】県が複数社に見積もり 支援の輪も広がる

広島市の業者「ホーユー」が高校の寮や食堂への食事の提供を停止した事態を受け、広島県は新たな契約を結ぶため、複数の業者から「見積もり」を取っていることを明らかにしました。

食事の提供が止まった県立高校6校は、2023年9月6日付けで「ホーユー」との調理業務契約を解除しています。

県議会文教委員会です。「ホーユーとの契約金額が低く、問題はなかったのか」との質問に対し、担当者は。

■県教育委員会 学校経営戦略推進課 沖本勝豊 課長

「最も低い金額で入札した業者を落札者とする一般競争入札を行ったものであり、事業者の選定方法に問題はなかったというふうに考えております。」

広島県は、県立高校6校の「調理費」について、今年度末までの緊急の随意契約を結ぶため、複数の業者から「見積もり」を取ったとしています。しかしこの契約は、調理に伴う「人件費」についてで、「食材費」は含んでいません。「食材費」は業者と保護者との契約となる為、県は原材料価格高騰への対策として、「新しい業者には、補助金を活用してほしい」としています。

こちらは、神石高原町の県立油木高校です。この高校では、野球部員などおよそ25人が寮で生活しています。食堂で提供する朝食と夕食は、寮の調理室で「ホーユー」の調理員が作って、提供していました。しかし、9月4日から提供が止まったままです。現在、朝食は教職員が地元のコンビニエンスストアで購入して、対応しています。

■県立油木高校 藤井 啓二 教頭

「もちろん想定していなかった。どう対応すればよいか困った状況(だった)」

現状を受け、支援の動きが広がっています。寮で暮らす生徒の保護者やPTAなどが、米や野菜缶詰・レトルト食品などを無償で提供。更に9月7日から、町と連携協定を結ぶスーパーマーケットの「エブリイ」のグループ会社が、弁当を提供しています。

■寮生

「(弁当は)味も美味しいし量もたくさんある。その事態があった時は不安だったが、たくさんの人が支えてくださったので、今は安心して生活できている」

夕食でも、新たな支援の動きです。この日、生徒たちが訪れたのは、町内にあるインターナショナルスクール。全児童が寮生活を送るこの小学校が、9月13日からの4日間、夕食を提供します。

■神石インターナショナルスクール 山根豪太 事務局長

「何かできないかということで我々から(油木高校に)声をかけさせてもらった。油木高校の皆さんには遠慮せずお腹いっぱい食べて笑顔になってほしい」

インターナショナルスクールの食堂でとる夕食。献立は「とんかつ」です。毎日、夕食を弁当でしのいできた生徒にとっては、久し振りの温かい食事です。

■寮生

「久々に温かいご飯を食べて美味しい。(弁当だと)もうちょっと食べたいなと思う時があるので、こういう機会にしっかり食べたい」

「こういう風に温かいご飯がまた早く食べられたらいいなと思う」

■県立油木高校 藤井啓二 教頭

「温かいご飯を提供してもらえることは非常にありがたく思っている。早く元の状態に戻りたいと願っている」

油木高校は町内唯一の高校で、寮生の多くは運動部員。

食事の心配をすることなく過ごせるように、新しい業者の選定が急がれます。

【2023年9月14日 放送】

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