新監督を探すドイツ代表、ナーゲルスマン氏が最有力も資金不足で大きな問題が?

[写真:Getty Images]

日本代表を相手に1-4で惨敗を喫したことで、ハンジ・フリック監督を解任したドイツ代表。新監督探しが進む中、非常に大きな壁にぶつかっているようだ。

9日、国際親善試合でドイツは日本をホームに迎えた。カタール・ワールドカップ(W杯)の初戦で日本に1-2で敗れていたドイツ。そのリベンジマッチとして強い気持ちを持って臨んだが、日本がW杯以上の戦いを見せて快勝を収める結果となった。

今年に入り親善試合で6試合を戦い1勝に終わっていたドイツ。チームは新たなチャレンジをしていた一方で、不甲斐ない戦いの連続に批判が高まっていた中、日本相手の惨敗でドイツサッカー連盟(DFB)が決断を下すこととなった。

2024年のユーロは自国開催となり、なんとかしてチームを立て直さなければいけないドイツ。後任監督には、バイエルンの監督を昨シーズン途中に解任されたユリアン・ナーゲルスマン氏(36)が有力視されている。

しかし、ナーゲルスマン氏は監督をクビになったものの、バイエルンとの契約が残っている状況。2026年までの3年契約が残っているという厄介な事態となっている。

ただ、ドイツ『ビルト』によれば、バイエルンはDFBがドイツ代表の監督として採用したい場合は、移籍金を取るつもりはないと考えているとのこと。1つのハードルをクリアできることとなった。

しかし、移籍金はなくともサラリーもかなり高額。『ビルト』によれば、ナーゲルスマン氏は年間最大700万ユーロ(約11億1000万円)を受け取っていたとされ、フリック監督よりも上回ると考えられている。

バイエルンとの残り契約で受け取る額は推定2000万ユーロ(約31億6000万円)。つまり、契約解除されなければ、DFBはこの報酬を支払わなければいけないこととなる。

決して豊富な資金があるわけではないDFB。2026年の北中米W杯まで契約するとなれば、2000万ユーロは超えることが想像できる。

DFBは2021年の財務報告書では3350万ユーロ(約53億円)の損失があるとのこと。カタールW杯でも早期敗退となってしまったため、予算計画からは1950万ユーロ(約30億8000万円)がぽっかり抜け落ちてしまったという。

カタールW杯で優勝していれば4200万ユーロ(約66億4000万円)を手にできたようだが、実際はグループステージ敗退で900万ユーロ(約14億2000万円)。加えて、スポンサーとの契約交渉でも不利に働き、2024年夏にはフォルクス・ワーゲン社との契約も切れることになり、資金難に陥る可能性も高いようだ。

大事になるのは自国開催のユーロ。しっかりと結果を残すことで資金を調達したいところだが、それ以前に監督を雇う必要があり、難しい決断を迫られることになりそうだ。

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