災害で廃線の前例化懸念 青森県知事が要望

JR東日本への要望後、取材に応じる宮下知事(中)、阿部委員長(右)、西市長

 青森県鉄道整備促進期成会(会長・宮下宗一郎知事)と県、県議会は14日、東京都渋谷区のJR東日本本社を訪れ、津軽線の輸送サービス確保などを喜㔟陽一副社長に要望した。津軽線は蟹田-三厩間の廃線を含めた話し合いが続くが、宮下知事は「仮に、災害を契機とした廃線が前例になるようなことがあれば県内や全国に大きく波及する」との懸念を示し、運休している同区間の代替交通確保や、地元への丁寧な説明、責任ある対応を求めたという。

 要望は非公開で行われた。県によると、同社は津軽線が経営上の課題となっていることに理解を求めつつ「何らかの結論を前提とせず議論していく。どういう輸送体系が適切か、地元と話し合っていきたい」と説明したという。

 津軽線は昨夏の大雨被害により蟹田-三厩間の運休が続く。同社は、復旧や鉄路維持に多額の費用がかかるなどとして、バスとタクシーへの転換を提案している。

 要望はほかに、誘客強化やIC決済サービスの導入拡大、東北新幹線・北海道新幹線の高速化など。県議会の阿部広悦新幹線・鉄道問題対策特別委員長、県市長会会長の西秀記青森市長らが同席した。

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