横浜で物件内覧中に不動産会社の女性を刺傷 初公判、被告側が無罪を主張

横浜地裁

 横浜市旭区のアパートで2020年4月、物件案内中に不動産会社の女性社員に重傷を負わせ、現金や車を奪ったなどとして、強盗殺人未遂などの罪に問われた無職の男(28)の裁判員裁判初公判が14日、横浜地裁(西野吾一裁判長)で開かれた。被告は「財物を強取する故意はなく、殺意はなかった」などと述べ、弁護側は「精神障害の影響で心神喪失状態だった」と無罪を主張した。

 検察側は冒頭陳述で、事件の経緯について「新型コロナウイルス禍の緊急事態宣言が発出され、被告は勤務先の風俗店が休業し無職になった。住む場所もなく、食料を万引きしたり地下道で夜を明かしたりし所持金を使い果たした」と指摘。「見ず知らずの被害者にら危害を加えてでも手っ取り早く金を手に入れようと考えた。精神障害の影響は大きくなく、完全責任能力があった」とした。

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