滋賀県の住民ら48人が福井県の関西電力大飯、高浜、美浜3原発7基の運転差し止めを求めた訴訟の第38回口頭弁論が14日、大津地裁(池田聡介裁判長)で開かれた。物理探査を専門とする芦田讓京都大名誉教授(79)が原告側証人として出廷し、関電が拒んでいる原発地下構造の3次元探査の必要性を訴えた。
福島第1原発事故後の新規制基準では「地震波の伝わり方を正確に把握するため、敷地の地下構造を3次元的に把握する」ことが求められている。
証人尋問で芦田氏は、資源発掘の場面で行われる3次元探査の手法や精度について説明した。関電側は、目的に応じた調査を行っていて、3次元探査は必ずしも必要ではないとした。
弁論後、井戸謙一弁護団長は会見で「いいかげんな調査に基づいて基準地震動を計算しても信用できない。できる調査があるのにしようとしない関電の姿勢の問題が浮き彫りになった」と指摘した。
芦田氏は「3次元探査でシミュレーションした方がより正しいデータが出る。(原発再稼働に)賛成か反対かという以前に、ちゃんと地下を調べるべきだ」と話した。