石木ダム協力金で新基金 残余財産10億円を活用 長崎県

 長崎県と佐世保市が東彼川棚町に計画する石木ダム建設事業で、長崎県は土地売却や家屋移転に応じる住民らへの「生活再建等特別助成金(協力感謝金)」支払いに向け、財源となる基金の創設準備を進めている。前身の基金は国の公益法人制度改革に伴い2013年に解散しており、その残余財産約10億円をそのまま活用する。
 前身は財団法人石木ダム地域振興対策基金。長崎県と同市、同町が出資していた。協力感謝金は土地や家屋の補償とは別枠。ダム建設を容認した元地権者101世帯と建設予定地の上流にある1自治会に対し、計約2億7200万円が支払われた。現在の反対住民13世帯は受け取っていないという。
 長崎県河川課によると、4日に同町であった旧基金の清算人会(代表清算人・馬場裕子副知事)で、残余財産を使って新たな基金の創設が提案された。同課は、創設時期を未定とし、「基金は協力感謝金のほか、ダム完成後の地域振興にも使われる。できるだけ早期に創設したい」としている。

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