奥日光で「志津御婆尊」法要 伝統厳かに 家内安全や所願成就祈願 日光山輪王寺

男体山北側のお堂で営まれた法要

 【日光】奥日光の日光山輪王寺の飛び地境内で15日、山岳信仰が起源とされる仏事「志津御婆尊(しづおんばそん)法要」が営まれた。

 この日は、男体山北側の登山道沿いにある避難小屋近くのお堂で法要が行われた。雨がぱらつく中、地元関係者ら約20人が参列し、輪王寺別院・中禅寺立木観音の僧侶が家内安全や所願成就などを願った。参列者は手を合わせ、焼香を行った。

 志津御婆尊は馬頭観音をつかさどる太郎山の乳母とされ、長年、地元女性らが安産や子育ての無事を祈願していた。2017年に途絶えていた伝統を輪王寺が復活させ、毎年この時季に法要を執り行っている。

 中禅寺の人見良典(ひとみりょうてん)執行(しぎょう)(66)は「昔から奥日光で信仰されていた場所。伝統を復活させて、今回も多くの人に参列していただきありがたい」と話した。

男体山北側のお堂で営まれた法要

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