「どこの高校よりも長い基礎練習」15歳で親元を離れ目指すは日本一 恩を結果で返せたら…

愛媛県の南に位置する小さな町・津島町高田。ここにある愛媛県立宇和島東高校津島分校相撲部は、今年の愛媛県総体で20回目の優勝(津島高校時代も含む)を果たし、インターハイにも出場しました。そのスゴさを調査しました。
(2023年8月 よるマチ!で放送)

一際大きなタイヤを指先で掴み、押し上げるトレーニングに励むのは、主将の兵頭虎大郎選手。タイヤをまわしに見立てて押し上げるトレーニングの1つです。

番組スタッフも持ち上げられないほどの大型車輌用のタイヤを何度も持ち上げトレーニングを続ける強靭な肉体から、その強さの秘密に迫ります。

①徹底した基礎練習

相撲部では、基本的動作である四股を1日200回以上はこなし、複数のすり足でも足腰を鍛え上げ「どこの高校よりも長い基礎練習」を心掛けています。

その基礎練習で培った太ももは、成人男性のリポーターよりひと回りもふた回りも太い77cmを計測しました。

②屈強な体を作るスタミナ飯

松山市や県外出身の選手が多く在籍する相撲部は、下宿先で生活をともにしています。食べることが稽古の1つでもある部員たちが夕食で炊くご飯の量は3升。ラーメンの器で2〜3杯は食べています。

そしておかずも、2つの大きい寸胴鍋に山盛りのみそちゃんこに、煮込みハンバーグ、そして豚しゃぶなど、マネージャー特製のご飯が並びます。

③地域住民の支え

さらに、親元を離れて下宿する相撲部を知った地域の方から、毎日差し入れが届きます。

差し入れをするのは、惣菜やパンの販売をする山下由美さんです。

山下さん
「15歳で親元を離れて違う土地で生活するのは結構きつい。この土地にきたこの子たちには食べることだけは精一杯お手伝いできる。それしかできない」

1日7食も食べる生徒もいる相撲部にとって、山下さんは欠かせない存在となっています。

④選手と直接

相撲部のOBでもある顧問の池田比呂己先生は、まわしを締めて、選手と一緒に稽古に励みます。

顧問・池田先生
「直接肌をぶつけ合いながら成長も感じることができ、一緒に汗をかいて一緒に頑張ろうと声をかけています」

息を切らしながらも順番に選手たちと取組を続ける先生に、選手たちも応えます。

部員
「先生のためにもインターハイで日本一にならないと」

地域住民や下宿先のご夫婦、マネージャーに先生たち。部員たちは支えてくれる方々に日々感謝しています。

兵頭主将
「自分たちは恩を結果で返すという言葉を大切にしています。いろんな方々が支援してくださっているので、自分たちが日本一という目標を達成して恩を結果で返せたらと思います」

団体優勝を目指して挑んだインターハイ。惜しくも日本一には届きませんでしたが、2年連続5位入賞に輝きました。

宇和島東津島分校・相撲部は、周囲の支えを力に変えて日本一を目指す、体も心も大きな集団でした。

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