賃金問題で開幕節ストライキのスペイン女子1部、一定の解決経て今週再開へ 最低年俸段階的引き上げ

[写真:Getty Images]

選手の賃金を巡るストライキのために開幕が送れていたリーガF(スペイン女子1部)だが、交渉の末に今週末から再開する。

スペインでは9月頭に最低年俸を巡って、リーガFと労働組合が会談。3日間の長時間時間に及ぶ議論の中でも合意に達せず、8日から予定されていた開幕節はストライキにより開催されなかった。

スペイン『アス』によれば、当初2万5000ユーロ(約390万円)を求めていた労働組合は、若干減額の2万3000ユーロ(約360万円)で交渉を続けたのに対し、リーグ側は当初1万8000ユーロ(約280万円)、その後は現状から25%アップの2万ユーロ(約310万円)を提示した。

労働組合側が「出産、引退後の援助、学業や年功序列、またはトレーニングの権利など、他の重要な問題が議論されていない」、「商業利益の一部を最低賃金のさらなる引き上げに割り当てるべき」と主張したのに対し、リーグ側は「このプロリーグは、ストライキを避けるために、圧力に屈したり、競技会の経済崩壊、ひいては女子プロサッカーの失敗につながる提案を受け入れたりはしない」と強調していた。

交渉は難航したが、SIMA(連合間調停・仲裁局)による調停のもと、12日に一定の決着。最低年俸については、以下のような段階的な引き上げでまとまった。

●2023-24シーズン

2万1000ユーロ。商業収入の伸びに応じて2万3000ユーロへ増額の可能性

●2024-25シーズン

2万2500ユーロ。商業収入の伸びに応じて2万5000ユーロへ増額の可能性

●2023-24シーズン

2万3500ユーロ。商業収入の伸びに応じて2万8000ユーロへ増額の可能性

これによってストライキは終了し、リーグは第2節からスタート。15日のバレンシアvsレアル・マドリーで幕を開ける。ただ、すべての点で合意が成立したわけではなく、再開後も更新に向けた会議は継続されるとのことだ。

なお、今季リーガFでプレーする日本人としては、昇格組のエイバルにMF米井朋香が在籍している。

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