「バキバキ」と大きな音…各地で冠水や土砂崩れ 15日、長崎県北部に線状降水帯

松浦市福島町原免の県道沿いで起きた土砂崩れ現場=15日午後5時52分

 長崎県北部では15日午前、積乱雲が連なる線状降水帯が発生し、道路の冠水やのり面の崩壊が相次いだ。
 平戸市中野大久保町では午前9時半ごろ、市道が冠水し、市が通行止めにした。現場は東側が平戸瀬戸に面し、国道を挟んだ西側は河川と水田が広がっている。そのため過去にも度々、市道や水田が冠水してきた。県は「大潮の満潮と大雨が重なったことが要因の一つと考えられる」としている。
 市道に面した自動車整備会社によると、工場前の道路はふくらはぎの高さまで冠水し、工場も浸水被害を受けたという。現場そばに住む70代の男性は「通行止めになる前は、路面の速度規制標示が見えていた。市道、水田側と裏山からすごい勢いで雨水が流れ込み、側溝の排水は全然追いつかず、どんどん水かさが上がった」と口にした。
 松浦市福島町原免では、ゆるやかな勾配が続く県道沿いで土砂崩れが発生。片側1車線が一時、通行できなくなった。現場近くに住む松浦寛二さん(51)は午前6時半ごろ、「バキバキ」という雨や雷と違う大きな音がして外に出ると、土砂と竹などが県道を埋めていたと雷雨の激しかった早朝を振り返った。佐世保市鹿町町の市道でも、のり面が縦約2メートル、横約4メートルにわたって崩れ、全面通行止めとなった。


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