長崎県新上五島町議会 議員定数2減の14に 2025年春の改選時から適用

 長崎県新上五島町議会は15日の定例会最終本会議で、議員定数を現行の16から14に削減する条例改正案を全会一致で可決した。人口減少などを理由とし、2025年春の改選時から適用する。
 条例改正案は21年9月に設置した議員定数等調査特別委員会(増田忠彦委員長、7人)が同日発議した。これまで、人口減少のほか、同じ定数16でも人口が多い西彼長与町、時津両町との比較を踏まえ適正数を協議してきた。
 定数減と併せて、三つの常任委員会を「ひとづくり」「まちづくり」の二つに再編する条例改正案も可決した。
 同町議会の定数は、旧5町合併翌年の05年改選時は26だった。09年改選時に20とし、さらに13年改選時に16へと段階的に減らしてきた経緯がある。
 町議会事務局によると、合併時に約2万6千人だった町人口は1日現在約1万7千人にまで落ち込んだ。議員1人当たりの人口は1079人。30年の人口は約1万4千人と推計されており、定数2減により議員1人当たり1016人と現状並みを維持できる見通し。
 大谷恵次議長は取材に対し「住民請求があったわけではなく、改革の範を議会自ら示せた」と答えた。その一方、適正な定数については「人口減だけでは決められない。県内8町の中で最も面積が広い上、細長く入り組んだ地勢や居住状況を鑑み、民意を反映させるには、ある程度の議員数は必要」と強調し、情勢を見極めながら、その都度検討するとした。

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