銀輪一団、伝統つなぐ ツール・ド・のと開幕

千里浜なぎさドライブウェイを疾走するサイクリスト=羽咋市千里浜町

  ●初日は570人 明治の大競走、熱気を今に

 北國新聞創刊130年記念ひゃくまん穀(ごく)プレゼンツ第35回ツール・ド・のと400(同実行委、北國新聞社主催)は3連休初日の16日、金沢市の石川県西部緑地公園を発着点に3日間の日程で開幕した。明治時代、北陸で初めて開催された長距離ロードレース「自転車大競走」を源流とする伝統の大会。全国から集まったサイクリスト約570人は住民の応援を背に加速し、初秋の能登路を駆け抜けた。

 能登半島を3日間で一周するツール・ド・のとは、総距離が400キロを超える過酷さで知られ、愛好者の憧れとなっている。今大会も全国レースを転戦する著名選手を含め、8歳から87歳までの挑戦者が集まった。

 色鮮やかなウエアに身を包んだ選手は、号砲とともに県西部緑地公園を出発。軽快にペダルを踏んで潮風が吹く千里浜なぎさドライブウェイなどを走り抜け、初日のゴールとなる136.9キロ先の輪島市マリンタウンを目指した。きらめく銀輪の一団に、沿道の住民も手を振って応援し、自転車の祭典を楽しんだ。

 2日目の17日は七尾市までの136.1キロ、最終日の18日は氷見市を経由してゴールの金沢市までの138.2キロを走る。初日は、輪島をゴールとする1日コース、志賀町まで65キロのハーフコースも行われた。

 大会は1906(明治39)年に北國新聞社が主催した「自転車大競走」に歴史の起源を持つ。世界最高峰のツール・ド・フランスが初めて開催されてからわずか3年後の開催で、県内は熱気に沸いた。開会式では、西本東介北國新聞社事業局長、村山卓金沢市長、川原範夫金沢医科大病院長の順であいさつし、歴史を受け継いで走るサイクリストにエールを送った。

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