●夜間も屋外で存分に
砺波市の夢の平コスモス荘で30日から音楽フェスティバルが催され、全国から100人を超える愛好者が集う。同施設で音楽フェスが開かれるのは初めてで、周囲に気兼ねせず夜間でも屋外で音楽を存分に楽しめる環境が誘致につながった。東大生や砺波高生が栴檀山地区の活性化に向けて提案したアイデアに合致し、関係者は音楽を切り口に多くの人を呼び込むモデルになると期待を寄せている。
音楽フェスは、北陸ブルーグラス音楽愛好会が主催する北陸ブルーグラスフェスティバル。30日から1泊2日の日程で開かれ、北陸をはじめ、首都圏や中京、関西圏などから大学生を含む38バンドの約130人が出演し、アコースティック音楽のブルーグラスの演奏を通じて交流を重ねる。
これまで南砺市の利賀村や城端で18回開催してきたが、会場の都合がつかず、コロナの影響もあって過去3年間は中断しており、4年ぶりの開催となる。
愛好会の嶋悦広さん(69)=高岡市西藤平蔵=がフェスの開催場所を探していたところ、義母が栴檀山地区の五谷出身で、親戚がとなみ夢の平コスモスウオッチングに携わった縁もあって、夢の平コスモス荘に決めた。
嶋さんによると、まちなかで野外の音楽イベントを開く場合は周囲の住環境に配慮して夜間でも早めに切り上げざるを得ず、苦情が寄せられるケースもあった。夢の平コスモス荘は周辺に人家がなく、周囲を気せず未明まで思いっきり音楽を楽しめる環境という。
嶋さんは、全国から集うバンド仲間にコスモスの名所をPRし、日本海や立山連峰を望む風光明媚な場所で夜遅くまで演奏を楽しめる環境を売り込めば口コミで広がり「他の音楽イベントの誘致につながる」と期待を寄せる。
夢の平コスモス荘の山本建一支配人は「音楽のフェスティバルは初めてで、今回をきっかけに、音楽などいろんな切り口で活性化につなげたい」と語った。