京都の自殺者数、一部地域のみ増加顕著に 今年7月末時点のデータで判明

 京都府内で確認された今年7月末時点での自殺者数(暫定値)で、府南部の山城地域が昨年同期と比べ18人増の55人となった。他の地域が減少傾向にあるのに対し、増加が顕著で、府は警鐘を鳴らしている。

 府によると、府内全体の自殺者数は新型コロナウイルスの感染が拡大した2020年に355人(前年比32人増)となり、増加傾向に転じた。21年は376人(同21人増)、22年は375人(同1人減)だった。府地域福祉推進課は「このままでは23年は増加に転じることが非常に懸念される」としている。

 今年は7月末時点で243人(前年同期比15人増)で、内訳は男性165人(同13人増)、女性78人(同2人増)。50代男性が35人と最多で、40代男性29人が続いた。

 保健所別では、山城北(宇治市など4市3町)が16人増の46人、山城南(木津川市など1市3町1村)が2人増の9人だった。市町村別では、宇治市が15人増の25人と増加が目立った。笠置町では18年から自殺者ゼロが続いている。

 府地域福祉推進課は「自殺しようか思い悩む人を支援するゲートキーパーを増やすことに力を入れ、養成講座を開くなど対策を講じていきたい」と話している。

 厚生労働省などが自殺防止のためホームページで紹介している主な相談窓口は次の通り。

▽いのちの電話
 (0570)783556(午前10時~午後10時)
 (0120)783556(午後4~9時、毎月10日は午前8時~翌日午前8時)

▽よりそいホットライン
 (0120)279338(24時間対応)

▽京都府こころの健康相談
 075(645)5155(月~金曜午前9~12時、午後1~4時)

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