「ボヤけることが鮮明に」 西村優菜の疲労困憊8連戦の収穫

過酷な8連戦をやっと終えた西村優菜(撮影/村上航)

◇国内女子◇住友生命Vitalityレディス 東海クラシック 最終日(17日)◇新南愛知カントリークラブ美浜コース(愛知)◇6534yd(パー72)◇晴れ(観衆7995人)

西村優菜が大ギャラリーの声援を浴びながら、リーダーボードを駆け上がった。首位と7打差の20位からスタートして、6バーディ、ノーボギーの「66」で通算12アンダーの3位フィニッシュ。「すごく久々に、本当にたくさんの方が応援してくださって。特に17、18番はすごかったです」。米ツアーではなかなか味わえない大声援を笑顔で振り返った。

久々の大ギャラリーがうれしかった(撮影/村上航)

フランス開催の「アムンディ エビアン選手権」から欧州、カナダ、米国、日本を回った8連戦が終わった。帯同キャディの森本真祐氏が「疲れてましたね。一緒に歩いていて、プロが遅れそうになるんですから」と気の毒がるほど疲労困憊だった3日間。ただ、そんな中でも収穫を手にできるから、トッププロなのだろう。

フラフラな体で得たものがある(撮影/村上航)

日本に持ち帰ってきたスイングの課題があった。「スイングでインパクトがボヤけるというか…。体が流れたり、開いたりする」。より確かなインパクトを得るには、疲れた体ではより難しい。「そうなんですけど、疲れているからこそ、ボヤけることがより鮮明になった部分もあります」。自分を追い込んで気づいた感覚を今後につなげたい。

我慢強い西村だから、光る足跡がある。参戦1年目の米ツアーではポイントランク81位と苦戦が続くが、今季の国内ツアーは出場4戦で9位、10位、6位、3位とトップ10を外していない。次週は9週ぶりのオフ。「もう体が動かないぐらいなので、あしたは家でワンちゃんに癒やされます。あしただけは絶対、クラブを握りません!」

1週のオフを経て米ツアーへ(撮影/村上航)

次戦は米ツアーに戻り、アーカンソー州で29日(金)開幕の「ウォルマート NW アーカンソー選手権」(ピナクルCC)。その後、日米共催「TOTOジャパンクラシック」(11月2日―5日/茨城・太平洋クラブ美野里コース)を含むアジアンシリーズに向けて、つかの間の休息を迎える。(愛知県美浜町/加藤裕一)

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