朝乃山連勝、星五分 勝負の後半戦へ気合

  ●明生を寄り切る

 大相撲秋場所(両国国技館)8日目の17日、西前頭2枚目の朝乃山(富山市呉羽町出身、富山商高OB、高砂部屋)は西前頭筆頭の明生(立浪部屋)を寄り切り、4勝目を挙げた。3日目から4連敗と苦しんだが、再び連勝と盛り返し、星を五分に戻して後半戦に挑む。朝乃山は「今日はこれで終わり、また明日に向けて準備してやっていく」と表情を引き締めた。

 先場所初日に敗れた明生との一番。朝乃山は先場所でもろ差しを許しており、今場所は右を固めて当たりを受け止めた。痛みを抱える左で引っ張り込み、右をねじ込む。左上手にこだわらず、速い攻めで力強く寄り切った。雪辱を果たし「差し勝って、圧力をかけながら足を運ぶことができた」と手応え十分の内容だった。

 一方、NHKテレビ中継で解説を務めた宮城野親方(元横綱白鵬)は「あんまりよくないね。本当は上手を取ってからの攻めなんで。右からこじ入れて、左を引っ張り込んでいるから、これは上位では通用しない」と辛口。優勝候補に挙げるほどの期待をかけていただけに「ちょっとがっかり」とも漏らした。

 前半戦は3大関も含め役力士6人と対戦し、2勝4敗と厳しい結果に力不足も痛感した。折り返しを迎え、疲労はたまっているが「疲れているのは自分だけではない。夜はゆっくり眠れているし、今のところ大丈夫」と後半の土俵を見据える。

 年内の三役復帰という目標をかなえるためにも、後半戦では取りこぼしが許されない。連勝にも「まだほっとはしていない」と語り、表情は硬いままだった。

 9日目は西前頭3枚目の玉鷲(片男波部屋)と対戦する。突き、押しを得意とする38歳で鉄人と称される。玉鷲とは過去4勝3敗で、直近は4連勝中。前回対戦の2021年初場所は、朝乃山が寄り切りで勝利している。

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