まるで洗濯機の中に入るようなワクワク感 世界初の技術を生み出した最先端の洗濯機工場のすごさに迫る=静岡

今から20年前、世界初の「ななめドラム式洗濯乾燥機」が誕生しました。二槽式が主流だった時代から全自動洗濯機を製造していたという最先端を追求し続ける工場が50周年を迎え、工場の内部が9月14日に公開されました。

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静岡県袋井市にあるパナソニックの静岡工場です。

この工場で製造し、11月に発売予定の最新型の洗濯乾燥機「キューブル」。機能もさることながら、インテリアとして魅せる洗練されたデザインが特徴です。

静岡工場は、操業50周年。

業界トップクラスを誇るパナソニックの「ななめドラム式洗濯乾燥機」の国内販売分のすべてを袋井市で作っています。1日で最大2250台。そんな工場の内部が9月14日、報道陣に公開されました。

<工場の担当者>
「1号棟の入り口は、ドラム式洗濯乾燥機のデザインになっている。洗濯機の中に入るワクワク感と魅力ある工場づくりの取り組みで設置した」

それでは洗濯機の中に入りましょう。まずは、材料を加工する場所です。

<工場の担当者>
「ロール状の材料をセットして、プレス機本体まで送っている」

大型の機械で金属をプレスし精密に加工していきます。

「さざなみ加工機」からは洗濯槽のようなものが出てきます。部品を機械に入れると…。

<工場の担当者>
「側面にさざなみ模様をつけている。洗濯槽の洗浄力や強度を上げる」

工場では、2022年度、新しいラインを導入しました。材料の加工から本体の生産、検査までが1つのフロアで効率良くでき、生産能力がアップしました。ドラム式洗濯乾燥機の需要は年々、高まっています。

そんな洗濯機の50年の進化を振り返ります。

まずは、1973年。石油ショックやトイレットペーパーの買い占めが社会問題になった年に登場したのがパナソニック静岡工場の第一号の全自動洗濯機です。

洗濯と脱水の二槽式が主流だった時代に全自動です。

<パナソニック くらしアプライアンス社 藤本勝常務>
「将来を見据えて全自動が大きくなるのではないかと考えて生産を静岡工場で開始した。昔はボタン式、機械式、レバーで回す形が多かった」

続いては、1986年。イギリスのチャールズ皇太子とダイアナ妃が来日した年、累計の生産台数は2500万台に達しました。

<パナソニック くらしアプライアンス社 藤本勝常務>
「時代を醸し出したエンブレム。愛妻号の名前で発売してご愛顧いただいた。ボタン式、電子式の洗濯機に進化した」

次に、1990年。ティラミスが流行り、人面魚が話題になった年です。累計3000万台目に搭載されたのが、当時、大流行した「ファジィ機能」です。

<パナソニック くらしアプライアンス社 藤本勝常務>
「“ファジィ制御”でどういう汚れなのか、見分けるセンサーがついている。センサーで自動的にいい洗浄力を醸し出す商品でした」

ミレニアムの2000年には、ついに、洗濯と乾燥が同時にできる機種が登場します。世界初の商品でした。

さらに、六本木ヒルズが開業した2003年に登場したのが、世界初の「ななめドラム式洗濯乾燥機」です。

<パナソニック くらしアプライアンス社 藤本勝常務>
「投入口が斜めになっている。当時は30度くらいの角度をつけていて、色んな方が取りやすい角度を実験に実験を重ねて商品にした」

進化する洗濯機。未来には、どんな機能が搭載されるのでしょうか。

<パナソニック くらしアプライアンス社 藤本勝常務>
「乾かす、洗濯をするだけでない、衣類をケアするカテゴリーを増やしていく、こんな将来の夢をみて開発を進めたい」

パナソニックでは、くらしのニーズや変化に合わせることで、2030年には今の1.5倍の成長を目指しているということです。

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