「日本一の芋煮会」暑さに会場細心 扇風機設置し水提供/テント持参も

水を霧状に噴霧しながら風を送る扇風機で涼む来場者=山形市・馬見ヶ崎河川敷

 山形市で17日に開かれた「日本一の芋煮会フェスティバル」は、新型コロナウイルス感染症対策に伴う飲食エリア設定などの制限がなくなり、4年ぶりの通常開催となった。一方で、この日は気温がぐんぐん上がり、猛暑日に迫る、厳しい残暑。芋煮の過不足といったトラブルはなかったが、運営側や来場者は暑さ対策が必須の状況となり、1人が熱中症の症状を訴えて救急搬送された。

 山形地方気象台によると、市内の気温は正午にかけて上昇し、午前10時20分頃には30度となった。午後2時すぎにはこの日最高の34.4度を記録。会場からは、30代の男性が熱中症の症状で救急搬送され、体調不良を訴えて救護所を利用した来場者もいた。いずれも軽症とみられる。

 実行委員会は、整理券配布場所などに、水を噴霧しながら風を送り、気化熱で周囲などの温度を下げるとされる扇風機を設置。うちわの配布や給水車による飲料水の提供といった熱中症対策を講じた。チケットには受け取り時間を記載し、暑い中、長く行列に並ぶことがないよう配慮した。

 来場者も、各自が暑さ対策を講じていた。同市宮町4丁目、東北公益文科大1年田所朋遥さん(18)は両親や東京に住む親戚と、日傘や日よけのテントなど、万全の準備を整えて訪れた。真夏のように照りつける太陽と暑さは想像以上だったが「青空の下、みんなで食べる芋煮は最高」と笑顔だった。

 「混雑の中で、幼い子どもに日傘を持たせるのは危険だ」と、米沢市川井の会社役員中村陽平さん(40)はビーチパラソルを広げ、家族4人で肩を並べて味わった。「暑いのは分かっていたが、子どもたちがずっと楽しみにしていたイベント。こまめに水分をとらせるなど細心の注意を払っている」と話した。

厳しい残暑の中、多くの人が久しぶりの味を楽しんだ日本一の芋煮会フェスティバル

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