アイナメに標識 追跡 ブランド化推進協議会 資源安定化目指す 稚魚約千匹を放流/青森・階上町

標識タグ付きのアイナメを放流する八戸水産高校の生徒
標識タグ付きのアイナメ

 青森県階上町の魚・アイナメ(アブラメ)のブランド化推進協議会「はしかみブランドプロジェクト CompAss(コンパス)」は13日、同町の小舟渡(こみなと)漁港で標識タグを付けたアイナメの稚魚約千匹を放流した。町は今後、資源量の安定を目指し漁業者らの協力も仰ぎながら、追跡調査を行う。

 同事業には八戸市の八戸水産高校が協力しており、標識タグ付きのアイナメ放流は今年で4年目。県栽培漁業振興協会(階上町)がふ化させ、5月下旬から同市鮫町にある同校栽培漁業実習場で約3カ月間、体長約15センチになるまで中間育成させた。

 13日は、中間育成や標識タグ付けに携わった生徒2人や関係者らが、小舟渡漁港の沖合約300メートルから稚魚を約20分かけて放流した。海洋生産科3年の柿﨑優斗さんは「成長をずっと見てきたので愛着がある。放流する時は寂しさもあったけど、大きく育ってほしい」、石井圭壮(けいぞう)さんは「全国的に認知度が低いが、味もいい魚なので、もっと広く知られるようになれば」とそれぞれ語った。

 遊漁者や漁業者が標識タグ付きの成魚を漁獲した場合は、町役場や同町の産直施設「はしかみ ハマの駅 あるでぃ~ば」、階上漁協、坂下釣具店のいずれかに持ち込めば、買い取って成育状況や胃の内容物などを調べる。昨年度は6件の漁獲報告があったという。

 町産業振興課の南祐輔主事は「標識タグ付きの成魚が釣れた場合は、ぜひ報告してほしい」と呼びかけている。

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