芸磨き、笑い届け2千回 北上・後藤孝男さん、福祉公演重ねる

福祉公演2千回の節目を迎える後藤孝男さん。「涙と笑いを届けたい」と精進する

 北上市の民舞踊江釣子会主の後藤孝男さん(75)=同市北鬼柳=が高齢者施設や公民館で続けてきた福祉公演が今月、2千回の大台に達する。教員時代の1997年から四半世紀にわたり歌と踊り、尺八と三味線に軽妙なトークを絡め、同世代の共感を得てきた。新型コロナウイルス禍のさなかも芸を磨いてきた玄人は「いかに喜ばせ、喜びを共にできるかだ」とかみしめる。

 同市相去町の上家公民館で14日開かれた敬老会。ビニールテープで太眉をつくった後藤さんは、着流しや股旅、マドロス(船員)姿で約20人から喝采を浴びた。合間には妻清子さん(73)と同会の高橋良子さん(65)も踊りを披露した。

 洋野町の中学校に単身赴任していた時に三味線と踊りを本格的に始め、八戸市の師匠に習った。江釣子中教頭時代、選択授業で民謡を指導した生徒と練習の成果を発表しようと高齢者施設を訪れたことをきっかけに、奥州市や花巻市も含めて公演を始めた。

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