広島県内の50mプール今季営業終了 他県と設備面で差が…

スイマーにとって貴重な50mプールが来年5月まで広島県内で使えなくなります。

ひろしんビッグウェーブのプールが今シーズンの営業最終日を迎えました。

新型コロナ感染拡大などの影響で4年ぶりの開催となった「水泳交歓会」には

7歳から80歳までのべ464人のスイマーたちがレースに参加しました。

50m背泳ぎに出場(小6)

「いつもより速く泳げたと思います。」

50m背泳ぎ・50m平泳ぎに出場(63)

「水がきれいで泳ぎやすかったです。来年に向かって頑張ります!」

広島市東区にあるビッグウェーブには県内でもたった2つしかない一般利用ができる

屋内の競技用50mプールが設置されています。

ところが、1カ月後には…

競技用スケートリンクに姿を変えます。

ビッグウェーブがプールとして利用できるのは1年のうち4カ月だけです。

広島県水泳連盟 松村繁競泳委員長

「今年でしたら世界水泳とか来年3月にはオリンピックの選考会が始まります。

すべて長水路(50m)です。広島で冬場長水路がないとなると選考会なども戦いに行くには非常につらい面があると思う。」

そう語るのは、広島の国体チームを束ねる広島県水泳連盟の松村競泳委員長。

選手たちは22日に開幕する鹿児島国体に向けこの夏もビッグウェーブで練習を重ねてきました。

しかし、このプールが大会直前に使えなくなるためチームは広島を離れ福岡県で国体に備えることになります。

広島県水泳連盟 松村繁競泳委員長

「本当の最終調整なので、場所がそこまで遠くなければ、

最終的にはビッグウェーブで練習して出発するというのが普通だと思うんですけど…」

1990年代から2000年代初頭、広島は水泳王国と言われていましたが中国トップの座は、

現在、岡山に奪われています。

岡山県には通年利用できる50mプールが2つあります。

一方、広島市内にあった50mプールが1990年に閉鎖されたほか

長期合宿が可能だった県北の施設が使えなくなるなど設備の面でも差が生まれているそうです。

広島県水泳連盟 松村繁競泳委員長

「25mプールだとスピードが出たと同時にターンが入る50mプールは

最後の10m、15mがとても苦しいのでできればそういう環境の中で強化したい。」

ただ、ビッグウェーブが通年プールになるだけでは問題の解決にはならないと話します。

なぜならビッグウェーブは県内唯一の競技用スケートリンクでもあるからです。

広島県水泳連盟 松村繁競泳委員長

「サッカースタジアムができたり広島駅もすごい良くなるといった中で、置いてけぼりにならないように。

できればスケートリンクも作って欲しいし、(通年の50mプールも)作っていただけないかなと非常に思っています。」

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