強盗2度あったドラッグストア、店員ら“犯人足跡”に段ボールかぶせる 警官が訓練で指導 強盗させない効果ある「いらっしゃいませ」

現金を要求する犯人役の警察官(左)=6日午前、富士見市水子の「ドラッグストアセキみずほ台店」

 埼玉県警東入間署は6日、6月に2度の強盗被害にあった富士見市の「ドラッグストアセキみずほ台店」で強盗対応訓練を実施。同社の従業員や同署署員ら約20人が参加した。

 訓練は犯人役の男性警察官がレジに行き、店員に「金を早く出せ」と脅す場面から始まった。犯人は刃物が入ったバッグの中を見せるように広げ、そこに現金を入れるように指示。犯人は待ちきれず、現金を奪わず逃走したが従業員らは連携し、店長がすぐに110番して男の特徴などを伝えた。ほかの従業員らは犯人の痕跡を残そうと落としていった刃物には触らず、足跡には段ボールをかぶせていた。

 同店の男性店長(33)は、「危険な物は遠ざけるなど、学んだことは他の店舗の店長とも共有し、地域でも防犯の先駆けになりたい」と語った。同署の菊池純人生活安全課長は「事件はいつ起こるか分からない。まずは皆さんがけがをしないことが大事」と従業員の安全確保を呼びかけた。

 同店は安心して買い物ができ、働くことができる店づくりを目指して防犯対策を行っていた中、6月に同一犯から2度被害を受けた。県警生活安全総務課の軽部智広課長補佐は強盗事件などの傾向について「閉店間際や直後が狙われやすい」とし「中には店に入って様子をうかがう犯人もいる。隙を見せないように、相手の顔を見て『いらっしゃいませ』などとあいさつすることも、抑止につながる」と強調した。

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