ローソン店員、客の買い物やめさせる…電話しながら来店、相手は詐欺師だと直感 通報し詐欺阻止 郵便局でも阻止…携帯が鳴りやまぬ客に異変、局員が説得

橋本昭文署長(中央)から感謝状を受け取った木村祐一さん(右)と菊地さおりさん=浦和署

 特殊詐欺被害を未然に防止したとして、埼玉県警浦和署は、「浦和常盤十郵便局」の木村祐一課長(42)と「ローソンさいたま東高砂町店」パート従業員菊地さおりさん(52)に感謝状を贈呈した。

 木村さんは8月7日午後4時ごろ、ATMを操作する80代女性の携帯電話が鳴りやまず気になり、声をかけたところ「息子に頼まれて100万円を渡さなければならない」などの言動から特殊詐欺を疑い、電話には出ないように伝え、ホットライン通報した。

 菊地さんは8月10日正午ごろ、来店した90代男性が30万円分の電子マネーを購入しようとしたため、用途を尋ねると、かけ子と思われる人物と通話した状態で「携帯電話の未納料金を電子マネーで支払うように指示された」などと話したことから詐欺を疑い、110番した。

 木村さんは「せっかく郵便局に来てくれた方に嫌な思いをしてほしくなかった」、菊地さんも「おかしいなと思ったら今後もすぐに警察官に通報したい」と力を込めた。

 橋本昭文署長は「最後のとりでとして被害者の方が犯人にお金を渡す寸前での被害防止に感謝しています」とたたえた。

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