【ベトナム】ビンES、年内にバッテリー新工場稼働[車両]

地場複合企業ビングループ傘下のバッテリー製造企業VinESエネルギーソリューション(ビンES)がバッテリーの生産を加速している。8月末に北部ハティン省の工場で量産を始めたのに続いて、年内に北部ハイフォン市で新工場の稼働を予定している。ネットメディア「カフェF」が17日伝えた。

ビングループは傘下の電気自動車(EV)メーカー、ビンファストの事業拡大に向けて、バッテリー開発戦略として◇世界的なメーカーからのバッテリー調達◇生産・独自研究に向けたパートナーとの協力◇独自のバッテリー製造・開発——の3本柱を掲げている。ビンESはバッテリー技術などに精通した技術者300人以上を抱えて研究開発や生産、各国企業との協力を進めており、戦略の要となっている。

ビンESは2021年12月にハティン省キーアイン町ブンアン経済区のバッテリー工場を着工し、今年8月28日に本格稼働させた。バッテリーの年産能力は10万個で、第2期では100万個に引き上げる計画だ。

同経済区では、22年11月から中国のリチウムイオン電池メーカー、国軒高科動力能源(安徽省合肥市、ゴーション)と共同出資で、リン酸鉄リチウムイオン電池(LFPバッテリー)工場も建設している。年産能力は3,000万個で、24年9月までの本格稼働を目指している。

ハイフォンのビンファスト複合区でも、電動バイクやEV「VF8」向けのバッテリー量産を開始している。ビンESが独自開発したバッテリーセルの生産工場は現在試験稼働中で、年内の商業運転開始を目指している。

ビンESはゴーションのほか、カナダのリチウムイオン電池リサイクル業大手の「リサイクル(Li-Cycle)」、中国の車載電池大手の寧徳時代新能源科技(福建省寧徳市、CATL)、地場の建設鉱山開発会社カビコ(CAVICO)グループ傘下のカビコ・ラオ鉱業、西オーストラリア(WA)州のリチウム探査会社デルタ・リチウム(旧レッド・ダート・メタルズ)などとも戦略的提携を結びバッテリー開発を進めている。

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