「馬も射手もかっこよかった」 那須神社で例大祭、弓名手「与一」ゆかりの流鏑馬奉納

秋の例大祭で行われた流鏑馬

 【大田原】弓の名手、那須与一(なすのよいち)にゆかりが深い南金丸の那須神社で18日、秋の例大祭が行われ、与一にちなんだ流鏑馬(やぶさめ)が奉納された。

 同神社は、仁徳天皇(313~399年)時代の創建とされ、本殿と楼門は国重要文化財に指定されている。与一が源平屋島の戦いで扇の的を射落とす際に、必中を念じたと伝わる。

 午前中は拝殿で神事が執り行われ、世話人や地域住民ら約30人が参加した。厳かな雰囲気の中、神楽の奉納や玉串奉奠(ほうてん)などが行われた。

 午後から行われた流鏑馬では、大勢の見物客が見守る中、参道を武者姿の射手が馬で駆け抜け弓を放った。見事に的中すると、御利益があるとされる割れた的に見立てた木片を手に入れようと、人だかりができていた。

 勇壮な与一太鼓の演奏や、笛とササラのお囃子(はやし)に乗って3頭の獅子が舞い踊る市指定無形民俗文化財の那須神社獅子舞も奉納された。鹿沼市の実家に帰省していた麻布大2年大塚(おおつか)ももさん(19)は「馬も射手も迫力があってかっこよかった。暑い中、獅子舞も頑張っていた」と話した。

秋の例大祭で行われた流鏑馬

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