中学部活動の地域移行、指導者確保へ 栃木県教委が新バンク、募集対象拡大

栃木県教委が入るビル

 中学校の部活動を地域クラブなどに委ねる「地域移行」を進めるため、栃木県教委は18日までに、指導可能な人材を登録する「県部活動指導員・地域クラブ活動指導者バンク」を開設した。これまでは学校職員として任用する「部活動指導員」のみを募っていたが、移行後に地域クラブで指導する「地域クラブ活動指導者」も併せて募集する。休日などに指導ができる会社員や学生らを想定しており、県教委は登録者と市町教委や地域クラブなどとのマッチングを進める。

 県教委は「とちぎ部活動移行プラン」の一環として2025年度までに、全ての公立中の休日部活動を一つ以上、地域クラブに移行することを目指している。一方で市町からは「地域移行を検討する上で、指導者の確保が課題」といった声が上がっていた。

 21年度からは部活動指導員を募集しており、今月8日時点で登録者は33人(任用中の8人を含む)。部活の顧問に代わり、指導や大会への引率などを担うため元教員が多く、主に公務員は対象外となる。

 新たに設置するバンクでは、地域クラブ活動指導者も募集。夕方や休日に時間が取れれば会社員や公務員でも登録できるなど、部活動指導員に比べ対象要件が広い。地域クラブなどでスポーツや文化、芸術の指導を行う。指導経験や資格を有するなど、専門的な知識や技能があることが条件。いずれの指導員にも報酬が支払われる。

 登録に当たっては県教委が審査を行い、合格者を県のホームページに掲載する。市町教委や学校、地域クラブからの照会を受けて県教委が仲介し、面接などを経て正式に任用となる。

 県教委健康体育課は「子どもがスポーツや文化、芸術に親しむ環境を充実させるために経験のある方の力をお借りしたい」と登録を呼びかけている。

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