県大会、4強決まる 秋季高校野球、23日に準決勝

〈山形城北―日大山形〉7回裏日大2死一、三塁、8番渡部太心(左)が中越えに2点適時二塁打を放ち7―5とする=中山町・ヤマリョースタジアム山形

 第76回秋季東北地区高校野球県大会は第6日の18日、中山町のヤマリョースタジアム山形(県野球場)と山形市のきらやかスタジアムで準々決勝4試合が行われ、日大山形、九里学園、羽黒、鶴岡東が4強入りを決めた。

 日大は同点の七回に8番渡部太心の中越え2点適時打で勝ち越し、山形城北を9―6で下した。九里は山形中央と対戦し、二回の集中打で一挙6点を挙げて9―4で勝利した。羽黒は3投手の継投で山形南打線を5安打に封じ、6―1で快勝。鶴岡東は安定した試合運びで東海大山形に7―0でコールド勝ちした。

 準決勝は23日にヤマリョースタジアムで、羽黒―日大と九里―鶴東の試合が行われる。

日大山形、競り合い制す  「おまえが試合をつくった。決めてこい」。日大山形の荒木準也監督の言葉に、8番渡部太心は奮い立った。マウンドで無死満塁の窮地を切り抜けた直後の七回裏二死一、三塁の好機。直球を強振すると白球は中堅手を越え値千金の2点勝ち越し二塁打となった。「打球に気持ちが乗った」。期待に応えた投打のヒーローは塁上で喜びを爆発させた。

 中盤まで激しく点を取り合う展開。相手打者の目線を変えようと荒木監督は六回から左横手投げの渡部を送り出した。同点で迎えた七回表のマウンドで無死満塁に直面した。だが「負けるわけにはいかない」と動じない。邪飛二つで二死とし、最後は得意のチェンジアップで三振。無失点で流れを引き寄せた。

 今夏はベンチ入りがかなわなかった。甲子園では悔しさを胸にしまい、アルプス席から、躍動する仲間たちを見守った。「自分もあの舞台に立つ」と決意した。チャンスをつかんだこの秋、ここまで全3試合で登板し、勝利への戦力となっている。

 「結果を残さないと、良い選手がどんどん上がってくる」。チーム内競争は強豪校の常。「勝利に導く投手になる」。主力として甲子園に戻りプレーするため、レベルアップへの意欲も十分だ。

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