ATMの使用法を尋ねられたら私は必ず… 郵便局員の細やかな声かけ、高齢客の詐欺被害防ぐ

感謝状を受け取った下垣裕子さん(左)と倉谷雅巳さん=明石署

 特殊詐欺による被害を防いだとして明石署は14日、明石郵便局と、ゆうちょ銀行明石店(いずれも兵庫県明石市樽屋町)に感謝状を贈った。

 同署などによると、6月15日午後、市内に住む男性(78)が来店し、ATMの使い方を尋ねたという。

 対応した郵便局員の下垣裕子さん(54)は、ATMの使用方法を聞かれた際は必ず「詐欺ではないですか」と確認している。男性の「大丈夫やと思う」という曖昧な回答が気にかかり、使用目的を聞いた。投資の手続きに使うという返事に詐欺を疑い、同局内にあるゆうちょ銀行の倉谷雅巳さん(59)に対応を引き継いだ。

 倉谷さんが話を聞くと、男性はLINE(ライン)で投資話を聞いたと話した。怪しいと感じ、やりとりを見せてもらうと「投資成果は10倍以上」などと書かれており詐欺と確信し、通報につながった。

 下垣さんは声かけをする際、高齢客を傷つけないように「皆さんに聞いているんですけど」という言葉を最初に付けるという。「被害に遭ったらきっと精神的なショックも受けるはず。守れて良かった」と笑顔を見せた。倉谷さんは「今後も郵便局と銀行で連携して被害を防いでいきたい」と話した。(領五菜月)

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